筋肥大のメカニズムを説明する時に良く使われるこの超回復・・
考え方は間違っていないですが、どうやらこれ自体が筋肥大の要因ではないようです。
超回復の本当の意味は筋肉を動かすのに必要なエネルギーが「トレーニング前より増えること」だった…!
要するに、筋肥大=超回復ではないってことですね。
これ、日本人特有の誤解みたいです。
超回復のウソを信じていたら、恥ずかしい事にもなりかねないので、正しい意味で理解しておくことをおすすめします。
正直僕も間違った認識をしてたので、他人に説明する時に自信満々で答えてたのが恥ずかしい・・
筋トレの超回復の正しい意味と、筋肉が大きくなる仕組みについてまとめます。
- 筋トレで筋肉が大きくなる「超回復理論」はウソ
- 超回復はグリコーゲンの貯蔵量が増えることを言う
- 筋肉が育つメカニズムと最適なトレーニング量
筋トレの新常識!超回復で筋肉が大きくなるのは嘘だった!
超回復を全否定するわけではないです。
ひとまず一般的に言われている筋肥大のメカニズムは下の通り。
筋肥大のメカニズム
- 筋トレにより、筋繊維が壊される
- 休息して筋肉が修復される
- 以前よりも大きな筋肉として、成長する
この一連流れで、筋肉が前の状態よりも大きくなって修復されることを超回復と呼んでる人は多いですよね。
これはウソじゃないですが、この流れ自体を超回復とは言いません。
超回復の本当の意味を解説します。
超回復は筋肉を動かすのに必要なエネルギーの貯蔵量が筋トレ前より増えることを言う
筋トレで筋肉を動かすにはエネルギーが必要です。
エネルギー=糖質のことで、食品から摂った糖質は「グリコーゲン」として貯蔵されて、エネルギーとして使われる仕組み。
グリコーゲンの貯蔵量が増える=超回復
筋トレをしてグリコーゲンが消費されたあと、休息・栄養補給でグリコーゲンが補充されます。
この時、以前よりもグリコーゲンの貯蔵量が増えることを「超回復」と言います。
これがいつの間にか筋肉の肥大と混同されてしまっていたようです。
超回復は実際には筋肥大と何も関係がないんですね。
海外には「超回復」という概念は存在しない
日本特有の勘違いです。
かなりの割合で筋肉が大きくなる仕組みを超回復によるものと説明する人は多くて、めちゃくちゃ定着してしまっているわけですが、
何度も言いますが、ウソですので注意。
ただ、筋肥大=超回復ではないだけで、
筋肉に負荷を与えることで、さらにその負荷に耐えられるような筋肉に成長するメカニズムは正しいです。
筋トレで筋肉が大きくなる仕組み
筋肉が大きくなるのは超回復ではなく「ストレス応答」によるものです。
人間の「ストレスを受けても、それに対応していく力」のことですね。
寒い環境に長期間いた人は「寒さに強くなる」し、過酷な状況に身を置くことで「精神的に強くなったり」です。
このストレスへの対応能力っていうのが筋肉が付くメカニズムというわけ。
生きる上での「体の防衛反応」を利用して筋肉を大きくさせる仕組み。
そしてこのストレス応答は3段階の状態があります。
どの状態かで筋肉が育つか育たないか決まる
- 警告反応期
- 抵抗期
- 疲弊期
それぞれどんな状態か解説しますね。
警告反応期:痛みが出る
警告反応期はトレーニングで筋肉疲れている段階です。
体がストレスを感じてますよ!という状態。
要するに、筋肉痛だったりの痛みで体がストレスを感じているサインを出しているということ。
それが、警告反応期。
抵抗期:ストレスに対して体が抵抗する
ストレスを感じたことで、体がそれに対応しようとします。
トレーニングによって与えられた負荷に耐えられるだけの組織なろうとしている状態。
筋肉が発達するのはこの抵抗期にあるときなので、いかにこの状態になれるかが大切です。
そして、抵抗期をすぎると悪影響が出てきます。
疲弊期:耐えるどころか壊れてしまう状態
抵抗期に差し掛かっているのにも関わらず、ストレスを与え続けてしまうと疲弊期に移ります。
疲弊期は良くない状態ですね。
抵抗しようとする力が追い付かないくらい疲弊してしまっている段階で、筋トレする上で一番最悪の状況です。
俗に言うオーバートレーニングのことですね。
この疲弊期に入ってしまうと筋肉は大きくならないので注意・・
いかに「抵抗期」に居続けられるかがポイント
警告反応期では筋肉が育たないのかと言われたら、育ちます。
ですが、一番良いのは抵抗期の状態を続けることです。
筋トレを始めたての人はやればやっただけ筋肉は育つと勘違いしてる人は多いですよね。
僕も最初はそう信じてましたが、実際は逆効果です。
いくら限界の限界の限界までトレーニングしても疲弊期になってしまう原因なので気を付けましょう。
筋トレの追い込みすぎは「疲弊期」の原因に
ここでこんな疑問が出てきますね。
どの程度やったら、疲弊期になるのかどうかは、正直分かりません。
人によって筋肉量だったりトレ内容も違ってきますからね。
トレーニングしつつ、足りないなら増やす・やりすぎたと感じたら減らす
という感じで自分の感覚で調節していくのが最善です。
筋トレに最適な負荷のポイント
- 筋肉痛になるかならないか
- 筋肉痛が2~3日ほどで収まるぐらい
- 筋肉が100だとすると、101の刺激を与えるだけで筋肉は成長する
これが分かりやす基準ですね。順番に解説します。
ポイント①:筋肉痛になるか・ならないか
筋トレの翌日以降、筋肉痛の有無で判断するのは、ひとまずの指標です。
筋肉痛にならなくても筋肉は育ちますが、これだと負荷が足りない可能性も出てきます。
まずは筋肉痛になることを目指そう
ひとまず、翌日筋肉痛になるくらいのトレーニングを目指します。
「筋肉痛がないからトレーニングが足りないのかな・・?」なんて不安になるよりも、まずは筋肉痛を目安にするのが良いです。
ならない場合は、
行う種目を増やしたり、重量を増やしたり、セット数を変えてみるだとかで負荷を高めます。
ポイント②:筋肉痛が2~3日ほどで収まるぐらい
ただ、筋肉痛はなれば良いというわけではないので注意。
次の日に「適度な痛み」ぐらいがちょうど良いです。
目安は2~3日で痛みがなくなる程度の筋肉痛
筋肉の合成が高まる時間の関係上、最大でも3日ほどで筋肉痛がなくなるぐらいが良いです。
簡単に言うと、筋トレ後の24時間~72時間は筋肉が成長する時間です。
もしそれ以上痛みが続くようなら、それは「トレーニングをやりすぎ」な可能性が高いです。
筋肉痛が長引くのはオーバートレーニングの証拠。
よく、「筋肉痛めっちゃ続いてる!良いトレーニングしたなあ」と勘違いする人多いですが、それは無駄な刺激を与えているだけ。
痛みが続くのは良くないんです。
痛みが3日以上続くようなら、負荷を減らしたり、トレーニング内容を見直しましょう。
ポイント③:101の刺激で筋肉は成長する
例えば、100の負荷に耐えられる筋肉だったとします。
筋肉を大きくするにはそれ以上、101の負荷・刺激を与えるだけで良いんです。
これは山本義徳さんの「101理論」と呼ばれるもの。
要するに、少しでも自分の限界を超えれば筋肉は十分に成長するというものです。
この理論に筋肉痛の有無は関係なく、あくまでも指標として適度な筋肉痛があれば、OKなんですね。
適度な筋肉痛を目指して、トレーニングをしすぎないよう筋トレしましょう
筋肉が大きくなるのは超回復じゃなく「ストレス応答」ということと、大切なのは抵抗期に居続けることです。
超回復はなんだか負荷を与えれば与えただけ成長しそうなイメージですが、
ストレス応答の3段階の状態を理解しておくと、筋肥大のイメージが掴みやすいですよね。
オーバートレーニングには細心の注意を払って筋トレしていきたいものです。