毎日寝不足で筋トレをしているあなた。トレーニングの質を高めるなら良質な睡眠をとることにもフォーカスしていくべきですよ。
質の良い筋トレにするために押さえておきたいのが、筋トレと睡眠の関係性。
結論から言うと、「睡眠不足は筋トレの効果を下げる原因となる」ということで、筋トレは前日の夜から始まっていると言っても過言ではないという話。
近年の研究により前日の睡眠が、トレーニングの総負荷量を高めるために非常に重要であると科学的に証明されており、トレーニーであるのなら必ず知っておきたい知識です。
当記事では筋トレと睡眠の関係性について解説していきます。
記事の内容
- 睡眠不足はトレ時のメンタルに影響する
- 睡眠不足により筋肉へ送られる栄養が不足する
- より良い睡眠をして次の日の筋トレに備えるための対策
タップできる目次
筋トレ前日の睡眠はトレーニング効果の減少に繋がる
イギリスのスポーツ機関「UKスポーツ」による調査で、睡眠不足はトレーニングの効果を減少させるのを示唆することが分かっています。
2012年イギリスのUKスポーツによる調査内容
被験者は2つのグループに分けられます。
- 睡眠時間が8時間以上のグループ
- 睡眠不足である6時間以下のグループ
それぞれの被験者はベンチプレスやスクワットなどの多関節トレーニングを行い、いずれも疲労を感じるまでトレーニングをしました。
その後、筋肥大の要である総負荷量にどれぐらいの差が出るのか比較。
その結果、睡眠時間が不足しているグループは8時間以上睡眠を取っているグループに比べ、すべての種目において総負荷量が減少していたのです。
この調査により、睡眠不足はトレーニングの効果を減少させるという結論が導き出されたのです。
筋トレ時のメンタルにも影響し、オーバートレーニングを誘発する
睡眠不足による影響は体の面だけでなく精神的にも影響を与えます。
睡眠不足による精神的な悪影響
- モチベーション・集中力の低下
- 気分が落ち込み、イライラを作り出す
- イライラにより無理な負荷や回数をこなそうと、オーバートレーニングを生じさせる
オーバートレーニングというのは要するに過剰なトレーニングにより疲労が蓄積し、回復が困難になっている状態の事。
普段のパフォーマンスを発揮できなくなるだけでなく、体重の減少などにも繋がるため筋トレをする方にはとても辛い状態なので、注意が必要です。
筋トレの種目によっては睡眠不足の影響はない
睡眠不足の影響があるなしはトレーニングの種目によるようです。
筋トレには「多関節トレーニング」と「短関節トレーニング」がありますが、単関節トレーニングにおいては睡眠不足の影響はないという研究報告もいくつかあります。
なぜ、多関節トレーニングだけに影響するのか?
原因として考えられているのは「筋グリコーゲンの減少」です。
筋グリコーゲンとは、筋肉に蓄えられる糖の一つで筋肉を収縮するために必要なエネルギー源となるもの。
筋肥大を目的とした無酸素運動には筋グリコーゲンが必要不可欠で、逆に有酸素運動は酸素もエネルギーとして利用できるのが特徴です。
多関節トレーニングではたくさんの筋肉が使われ、その分筋グリコーゲンの量も増えます。
だからこそ筋トレのパフォーマンスを低下させてしまうのです。
糖を取り込む「インスリン」の減少にも繋がる
2011年の研究報告ではアスリートを対象に睡眠不足時のグリコーゲン量を測定した結果、通常の睡眠時に比べて明らかに減少していたことが分かりました。
また、睡眠不足には糖の取り込むために必要なインスリンという成分も減少させ、機能を低下させます。
このことにより睡眠不足はこのインスリンを減少させるとともに、筋グリコーゲンまで減少させるため多くのエネルギーを必要とする多関節トレーニングにのみ影響が出てしまうのです。
より良い筋トレのために良質な睡眠を取るための対策法
良いコンディションで筋トレをするために睡眠不足を回避するにはどうすれば良いのでしょうか?
これに対する答えはハーバード・ヘルス・パブリッシングの報告により明らかになっています。
質の良い睡眠を取るための対策
- 筋トレ前日の14時以降の「カフェイン」摂取を控える
- 睡眠を取る前の「喫煙」を控える
- 過度な「アルコール」を控える
最適なのはこれら3つ。それぞれ簡単に解説します。
1.筋トレ前日の14時以降の「カフェイン」摂取を控える
眠い時はカフェインを摂る方は多いかと思いますが、良質な睡眠を得るにはカフェインの摂取は避けるのが無難です。
しかし習慣的にカフェインを摂る方が急に控えることで、頭痛の原因にも繋がる恐れがあるため注意が必要です。
そういった方は徐々に摂取量を減らしていくことが大切です。
2.睡眠を取る前の「喫煙」を控える
ニコチンには中枢神経の興奮物質であり、不眠症の原因にもなる成分。
- ニコチンは心拍数を早めたり、血圧を上昇させたりと覚醒作用があるため、入眠妨げる
具体的に喫煙を控える際は、入眠の2時間前までに控えるのが良いとされています。
3.過度な「アルコール」を控える
睡眠には浅い眠りである「ノンレム睡眠」と深い眠りである「レム睡眠」という状態があります。
アルコールは、レム睡眠を抑制してしまうので注意が必要。
さらにはいびきなどで呼吸を悪化させる場合もあり、過度なアルコールの摂取により睡眠を妨げ質の良い睡眠が出来ないといった状態にも繋がります。
適度なアルコールなら問題はないですが、過度な摂取は極力控えることが推奨されています。
筋トレと睡眠の関係性は?睡眠不足によるトレーニングへの悪影響:まとめ
良質な睡眠を取る対策としては、上記のような細かいことでなくともできる対処法ももちろん存在します。
それは単純に「早めに寝ること」です。
そもそもアルコールやタバコを控えたところで、結局のところ十分な睡眠時間が取れなければ何の意味もありませんよね。
ここまでで分かるように筋トレと睡眠不足には意外に大きな関係があり、質の良いトレーニングを徹底したい方にとっては避けては通れないポイントです。
十分な睡眠を取って翌日のトレーニングに支障がでないような生活をしていきたいところですね。