今回は上記の疑問に答える形で筋肥大を目的とした場合、「重さと回数どちらを徹底するべきか」ってのを解説します。
- 筋肥大の最大のポイント
- 筋肉への負荷は重さ×回数×セット数で決まる
- より「効果が高まる」筋トレ法について
筋肉を大きくさせる筋トレは「重い重量で低回数」というのが一般的な考えですが、近年の研究報告では意外な事実が判明しています。
結論から言うと、
『限界までトレーニングをすれば、筋肥大の効果に大差はない』
というもの。
とはいえ、真におすすめなのは高重量で低回数の高負荷トレーニングということに変わりはありません。
当記事ではこのあたりのことを詳しく解説しながら、筋肥大に効果的なトレーニング法についてお伝えしていきます。
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筋トレにおいて「低負荷で高回数」と「高負荷で低回数」はどっちでも良い!?
重いものをひたすらに上げる筋トレが辛いと感じる方に朗報。
筋肥大の意外な事実は、「低強度のトレーニングでも回数をこなせば高強度のトレーニングをした時と同じだけ、筋肉への効果が期待できる」というもの。
多くの研究報告が「どちらも大差がない」と証明されてます
これに関しての報告は多数存在しているようですが、どんな検証がされたのか簡単に解説します。内容は下の通り。
- 8割の力を必要とする高強度のトレーニングを行うグループ
- 3割の力を必要とする低強度のトレーニングを行うグループ
それぞれに分けどちらも1日3セットを週3回、セット毎限界が来るまで行いこれを2か月半継続させ、その後の筋肉量を測定し検証する。
筋肥大の効果は「総合的な負荷の量」で決まる
この研究結果から、トレーニングの効果はどれだけ負荷を与えることができたがで決まります。
低強度でも高強度で行った時と同じだけの疲労感を与えることができれば効果は変わりはないということが分かったのです。
要するに最終的な負荷の量さえ意識できていれば、それに至る手段はそこまで関係がないということです。
低強度のトレーニングが筋肥大の効果が低いと言われていた理由
軽いトレーニングが筋肥大の効果が低いと言われるのは、「一部の筋肉しか使われない」から。
筋肉を大きくさせるポイントは、「より多くの筋繊維を酷使し、収縮させることができるか」という点。
例えば筋肉が3つの繊維(A.B.C)で作られていると仮定します。
- 重い重量はABC全てを使わなければ上がらない⇒たくさんの筋肉が使える
- 軽い重量はAのみで足りる⇒一部の筋肉しか使えない
低強度のトレーニングが効果的でないと言われる理由は上記の通り。
多くの筋繊維を収縮させるためには高強度トレーニングが一番良いと考えられてまして、それ自体は紛れもない事実です。
しかし、近年の研究報告では低い強度でも回数を重ねるごとにより多くの筋繊維が使われることが分かってるんです。
「低強度トレ」が「高強度トレ」と同じだけの負荷を与える仕組み
ここで下記のような疑問が残ります。
先ほどの筋繊維ABCで簡単に解説します。
たしかに軽い重量ではAのみで良いですが、回数を重ねるごとにAの繊維の負荷が高まります。
その結果、疲れているAを助けようと今度はBの繊維が手伝いをしてくれるわけです。
低強度でも回数を増やしていけばいくほど、小さな筋肉のはたらきを助けるように次第に大きな筋肉が使われるようになるということです。
これは「運動単位のサイクル」と言われていて、この働きがあるからこそ「低強度で高回数と高強度で低回数における筋肥大の効果は同等である」と考えられたみたいです。
多くの人が高強度で低回数のトレーニングを行う理由
こんな疑問を持つ方もいるはず。
答えは簡単。低強度で限界までトレーニングを行うにはかなりの反復が必要になり工数がかかるためです。
同じ効果が得られると言ってもそれだけ筋トレの時間が長引きますし、効率が悪いからですね。
だからこそ、手っ取り早く負荷を与えることができる「高強度で低回数」のトレーニングを行う人が多いわけです。
筋トレをするなら総合的な負荷量を高めることを意識する
ここまででの話は、
軽い重量でも「もう出来ない限界までトレーニングする」ことで重い重量と同等の負荷を与えることができるってこと。
これを踏まえると、筋トレにおいて最も意識するべきは「重さ」でも「回数」でもなく「総負荷量」ということが分かりますよね。
筋トレは総負荷量を上げようぜって話ですね。
総負荷量は「重さ」×「回数」×「セット数」で決まる
マクマスター大学のバードらの研究報告によると、総負荷量は上記の式により決まると言われています。
研究内容は、2つのグループに分け同じ強度でトレーニングをさせ、片方は1セットのみでもう片方は3セットを行う。
それぞれ疲労困憊になるまでトレーニングをした際の負荷量を計測するというもの。
この検証結果は次のとおり。
- 1セットのグループは負荷量が942kg
- 3セットのグループは負荷量が2184kg
- トレーニング後のタンパク質合成率においても3セット行ったグループの方が増加
このことから同じ強度でもセット数を増やすことで筋トレの効果が増大することが分かったのです。
総負荷量を高める筋トレ法は?重さ・回数どちらも意識するべし
ということでもう一度みなさんの疑問を振り返ってみましょう。
疑問は、「筋トレは重さと回数どっちを意識すれば良いの?」でしたね。
この疑問に対する最終的な結論を言うと、効果的な筋トレ法は「重い重量」と「軽い重量」両方取り入れてしまえば良いということです。
まずは高強度で少ない回数のトレーニングを限界まで行う
高強度での筋トレは限界を迎えやすいので最初に行うのがおすすめ。
低強度から行ってしまうと、工数がかかり本来あまり長時間やるべきでない筋トレが長引いてしまうことにもなりかねませんし、何より相当反復しなければ限界は来ないので効率が悪すぎます。
だからこそ、まずは高強度が良いのです。
- 8回~15回を1セットとし3セットを基本として行うのがおすすめ。
そして「もう上げられない」限界が来たら次は低強度トレーニングに移ります。
低強度トレでは段々と重量を下げていくイメージで行う
高強度のあとにいきなり重量を下げるのではなく、段階的に下げていくのが効果的です。
- 20kgから5kg⇒△
- 20kgから15kg⇒〇
悪くはないけど、ガクっと下げてしまうと回数が増えて工数がかかるので効率悪いですね。
とはいえ、回数が増えても前述した通り限界まで行えば負荷量は同等になるので時間がかかる以外に問題はありません。
重い重量のトレーニングは辛いからちょっと楽をしたいという人は急激に下げてもOKです。
低強度をやるのとやらないのでは体感的に負荷の量が圧倒的に違う
重い重量を低回数3セット行うだけでは、物足りなさがあります。
実際にその後さらに低重量で追い込むと筋肉の疲労感が圧倒的に違うので、是非試してみてください。
厳密に言うと軽い重さだからと言って、既に酷使されている状態で行うので体感的には軽くないです。
この筋トレの仕方ですと、極限まで筋肉を酷使でき総負荷量もかなり高まるのでおすすめ。
全ての筋トレメニューに言えることですが、やりすぎによる怪我には要注意!適度に筋肉を酷使してあげましょう。
筋トレは低負荷と高負荷どっちが良い?:まとめ
当記事では筋トレの「低負荷」と「高負荷」の効果について解説しました。
内容をまとめます。
筋トレにおける低負荷・高負荷:まとめ
- 筋肥大のポイントは総合的に筋肉に与えた負荷量
- 限界までトレーニングで効果は得られ、それに至るまでの手段は関係ない
- ただ、低負荷だけで済まそうとしても時間がかかるので効率的じゃない
そのため、低負荷か高負荷どちらを意識するべきかと言われれば、「両方合わせて徹底するべき」という結論になります。
より効果的な筋トレをするためにどちらも徹底して最大限、総負荷量を高めていくことこそが正しい筋トレです。